かなーり前に東京で就活くたばれデモをやったとき、使ってたMLで流したメールで、参考になりそうな本を色々載せたものがあった。で、せっかくなので、今更ながらここに載せておこうと思った(微妙に加筆・修正してある)。内容は「就活と、就活デモのことを考える上で参考になりそうな本」。ここに載ってる本を色々読んでくれたら、僕がデモをした理由も少しは分かってもらえるんじゃないかしら。
まずは雇用システムとか、そういう事について考える本から…
いわずと知れた氏の著作。「日本型雇用」が現在の社会の中でどのような弊害を生んでいるかについて書いている。やや誇張されている感もあるけれど、年功序列・終身雇用の問題点について知るためにはとりあえずいいかも。
ただ、個人的にはこの人の考え方はあまり好きではなくて、「3年で辞めた~」の方は、「竹中・小泉式の新自由主義プロパガンダか」と思うような記述も多々あり。
この人は、若者の見方のフリをして「フェアな競争を」(若者にも均等のチャンスを)と主張しているのだけれど、それだけで話が終わってしまうと(社会保障などに関する話が出てこないと)、絶え間ない競争社会になって、結局生きづらくなるだけなんじゃないかと思う。僕のモットーは「ダメ人間でも生きられる社会を」なので、ちょっと相容れないところがあるのは確か。
数年前からメディアなどでよく使われるようになった、「格差」「貧困」といった概念について、何が問題なのか、本当に格差や貧困は広がっているのか、といったことについてデータなどを取り上げ解説しており、こうした問題について知るための入門書として非常にとっつきやすい本。
野宿者の自立支援活動に関わっている湯浅氏は、個人が持っている精神的・経済的余裕のことを「溜め」と表現し、それが人によって異なるために同じ出来事に遭遇しても一気に転落してしまう人とそうではない人がいることを説明しているが、これは就活においても、同じ問題が潜んでいると僕は確信している。(ちなみに、このブログではあんまり書いたことないけど、僕が雇用やら福祉のことやらに問題意識を持つようになったのは、僕が関わっている野宿者支援活動が背景にある)
小泉・竹中式の「構造改革」がこの国に何をもたらしたのか、その流れはどこから始まっているのか、そうしたことも見えてくるはず。社会保障や貧困系の本は、岩波新書からたくさん出版されていて、「ルポ貧困大国アメリカ」(堤未果)や「生活保障」(宮本太郎)、「生き方の不平等」(白波瀬佐和子)なども読むとよいかも。
ウワサの石渡氏の本w
学生・大学・企業・就職情報会社、それぞれのプレイヤーが「就職活動」のあり方にいかに踊らされているか、就職活動がいかに問題点を抱えた茶番に成り果
てているか、ということを提起した画期的な本。なんだか学生をバカにしたような部分があって、「それは違うんじゃねーの」と思う部分もあるんだけど、就活
について考えるためには、とりあえず読んだ方がいい。
で、この辺からやや方向転換して「社会運動を起こすこと」について考えてみるような本を…
上から順にいこう。松本哉(はじめ)氏は、東京・高円寺にあるリサイクルショップ屋「素人の乱」の店主で、非常にユニークなスタイルのデモや運動(?)を繰り広げている台風の目のような存在。路上で鍋をするだとか、貧乏人の解放区を作り出すために選挙に出馬して合法的に騒ぐとか…とにかく破天荒な生き方に、価値観を広げられることうけあい。個人的には、この本が出てすぐに購入し、「知人・親戚に配ってまわりたい!」と思うぐらい感銘(?)を受けたヒット作だった(実際に配ったら、たぶん大顰蹙を買うw)。
この本については、また別のエントリーで取り上げようかなと思う。本当に面白いので、死ぬまでに読んだほうがいい。ちなみに北大の図書館(北分館)にはなぜか3冊も置いてある。グッジョブすぎるww
で、次。毛利嘉孝氏は、東京芸大の准教授で、文化と政治の融合などについて研究している。いわゆる「カルチュラル・スタディーズ」の研究者。新しい運動の様子を紹介したり、そうした運動の流れをパンクやレイヴなどの文化的な歴史を通して解説している。
「はじめてのDiY」は単行本化もされているけれど、もともとはネット上のサイトに連載されていたのものなので、ほとんど同じものがネット上でも見れる(書籍の方が、内容がまとまってて分かりやすいし読みやすいので買うことをオススメ)。これも「価値観変わる」系の本。
→はじめてのDiY http://blog.fujitv.co.jp/takeshi_diy/M200604.html
また、「ストリートの思想」とは、「文化」「政治」「思想」の融合したある新しい形の「運動=政治」のこと。そうした運動が生まれた背景には、資本主義の浸透(進行)を前提とした社会やメディアの「スペクタクル化」があるのだが、実は「大学の就職予備校化(≒政治的ラディカルさの後退)」もその流れに沿ったものだというのは、就活を考える上でのポイントでもあるはず。
これは上の二つよりも硬派で、比較的読み応えがある。
三冊とも、既存の左翼系運動や政治運動とは一線を画す形で生まれた、新しい形の「運動」の動向を知るためにの最良の本だと思われる。
東京で活躍するフリーター全般労組(個人でも加入できるユニオン)の方が編集した本。前半は労働法に関する知識や、社会保険や労災、労働組合などの利用の仕方が書いてあり、後半では社会の矛盾に立ち向かうために、仲間を集め、行動を起こす非常に実践的な話が書いてある。
この本のキャッチコピーは「死ぬな、読め!」というもので、「社会のあり方に絶望して死んじゃう前にやることがあるよ」と教えてくれる。僕も札幌でデモをする際に参考にした、とても便利な本。行動を起こす人にも、起こさない人にも、これを読んで色々考えて欲しいと思う。
2006年と2007年、フランス全土で起こった暴動と、政府の方針へ反対する運動の顛末を記録したノンフィクション。問題の火種は、政府が提出した若者に対する不安定雇用法案(CPE)。これが可決されてしまうと、若者はいっそうの不安定な生活を強いられるということで、大学生を中心に全国的な反対運動が起こった。フランスでは若者の失業率が非常に高く、その解決策(全然、解決策になってない)として細切れの不安定雇用(プレカリテ)を押し付けれらそうになったために、怒りが爆発したということ。
これを読んで僕はけっこう感動したのだけど、フランスでは若者が抗議行動としてターミナル駅の線路上に200人ぐらいで座り込みをして電車を不通にしたり、道路を通行止めにして車を揺さぶったりしても、駅にいた乗客やドライバーは「こんなに若者を怒らせる政府が悪い」と考えて、若者たちの行動を責めたりしないらしい。挙句、警察に線路を占拠した若者が駅から退去されられるときには、駅にいた人たちが彼(彼女)らを拍手で見送ったとか。
まったく日本なんかにいると、「社会のあり方や政府に盾突く=人に迷惑をかける困ったちゃん」みたいに捉えられるようなふしがあるけれど、このフランスの若者の毅然とした態度を見れば、実は日本がうんこみたいなろくでもない国だということがよく分かる。行動を起こして異議申し立てをするのは、民主主義が認められている国だったら正当な権利行使なのだ。
日本における政治運動に対する理解のなさを再考するためにも参考になるし、読み物としても面白かった。買うと高いので、大学の図書館にでも買わせるのがベストですなw(ちなみに北大の図書館には置いてある)
とまぁ、色々雑多な(しかし偏った)本を紹介したのだけど、参考になりそうな本はまだまだ山ほどある。BI(ベーシックインカム)の本とかね。もしほかにオススメの本などあればぜひ教えていただけると、とてもありがたい。
僕も大して読書量が多くないので、こういう紹介をする時は、読んでる本がどんなもんかバレてしまって困るのだけど、それでも少しぐらい読書してれば、いかに今の就活がおかしくて、それについて誰も表立って反対しない今の日本の現状がいかにおかしいかといことが分かる。逆に言うと、今の就活の現状についていっさい問題意識がない学生っていうのは、単なるバカなんじゃないかと思う(こういう乱暴な言い方はあんまりしないようにしてるんだけど、それにしたって就活を全力で肯定する学生はおかしいと思う。ちなみに問題意識があっても、行動しない人を責める気はない)。
それから、紹介したいけど(めんどくさいなどの深刻な理由により)紹介できていない本もあるので、また機会があれば色々載せたい。
ちなみに、僕がダントツでオススメしたい本田由紀著「軋む社会」は、いま手元になくて、うまく紹介できるか分からないので、また今度エントリー書くことにする。いや、ホントにいい本なんだけどね。なんで家にないんだろ…w
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