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2011年5月の記事

2011年5月30日 (月)

「都市型狩猟採集生活」とはなんぞや!

 年末の、かなり元気なかったときに読んだ本のレヴューをいまさらしてみるトゥデイ。

ゼロから始める都市型狩猟採集生活 Book ゼロから始める都市型狩猟採集生活

著者:坂口 恭平
販売元:太田出版
Amazon.co.jpで詳細を確認する

 一般的に路上生活者・ホームレスと呼ばれる人々の生活様式に着目することで、僕らが当たり前と見なすやり方とは全く違うスタイルで、ほとんど(あるいは全く)金を使わずに、豊かな生活を送る知恵について考察している本。

 著者の坂口は、都市においてゴミと見なされる剰余物の中から必要なものを獲得したり、無料提供されるサービスをうまく享受する実践例を紹介している。彼によれば、それらはゴミなどでは決してなく、(海の幸、山の幸になぞらえて)「都市の幸」と呼ぶべきものであるという。

 そこでは、衣服・食料の見つけ方から、家の作り方、住み方、そしてそうした生活の哲学まで披露されている。そこにあるのは、単純に「ホームレス=悲惨な路上生活」などと、ひとくくりにすることは出来ないような、豊かな生活の実践である。生活のための知恵と工夫とが、そこには詰め込まれているのである。

 坂口自身がこうした生活に強い関心を持つ根底には、人間にとってのシンプルな暮らしとはいかにあるべきか、ということを追求する態度がある。現代の社会は、必要以上の供給を前提に、サービスやインフラが整備されており、しかもインフラなどの中身はブラックボックス化されている。

 しかし、人間の生活の根源を維持するためには、必要な物の量を知り、自分の身の丈に合わせて生活を作る方が合理的である。その点で、都市型狩猟採集生活は、必要最小限のものを適切に入手し、利用するサイクルを形成しているという点で、実に合理的であり、また環境負荷も少ない。DIYの喜びもある。

 こうした指摘は、決してこの生活を実践する一部のひとだけの問題ではない。今回の震災は、僕達の生活を支えるエネルギー供給・消費をどう考えるか、といった問題を(原発事故を中心にして)はっきりと突きつけている。水道や電気(あるいはコンビニのような24時間営業店舗)を、「いつでも・どこでも・いくらでも利用出来る状態」にすることで、どれだけのコストが支払われているのか、あるいはその是非について、僕たちはもっと自覚的になるべきなのではないだろうか。その際に、ここで述べられている実践は(そのまま模倣するというのではないにせよ)示唆深いものがあると思う。

 ところで、上記のような生活を興味深いものであるのは確かだが、その難点について批判されることも不可避だろう。路上の生活はなんといっても不安定であるし、健康上の保障はない。この本に出てくる「都市型狩猟採集民」の面々は、ある種の才能に恵まれているがゆえに、こうした生活が持続できているし、東京という街の環境も他の地方都市と比べて有利な面もある。そのため、ここで報告されている実践だけでは「誰でもできる」と一般化することはとてもできない。 また、こうした報告が、貧困問題から目を逸らしたい人間にとって、有利な証拠として作用してしまう可能性も否定しがたいだろうそういうろくでもない考え方をするやつは多いし)

とはいえ、本書の提起するスタイル自体は、そうした批判を補ってあまりあるものなんではないか、と思ったりして取り上げてみた。うんw

※おまけ

ちなみに、著者の坂口氏は最近、熊本で「新政府の樹立」を宣言して、「初代総理大臣」を勝手に名乗っているそうであるw 「ゼロセンター」なる家に住みながら、震災の被災者の受け入れなどをしているとのこと。細かいことは僕もよくしらないけどw、興味ある人は、下のHPやツイッター@zhtssをフォローしてみるといいかも。

坂口恭平公式HP ゼロ円ハウス http://www.0yenhouse.com/

※おまけ その2

今度の週末、札幌で坂口氏のトークイベントがあるとのこと。詳細は以下の通り。

場所:札幌市中央区 南7条西4-2-5 LC七番館1F 「湯ん」

入場料:1000円

時間20時半開場。21時開始予定。

要予約→09095218932 desnos911@gmail.com (松岡)

http://des-nos.com/?p=56

興味ある人はぜひ。

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2011年5月22日 (日)

反原発ソングs

久しぶりの更新だけど、そんなことには特に触れず、今回はなんとなく反原発のメッセージを込めた曲を色々と紹介してみようかなと思ったので、動画を載せてみる。

今回の事故のことでもわかるように、原発というのはすさまじいタブー項目としてメディアでも扱われてるから、原発批判ソングってフツーのミュージシャンはまず歌わない(歌えない)みたい。

でも、ちらほら根性のある人たちによって曲が作られてたりするので、そういうのをちょっとだけまとめてみた。

☆ランキン&ダブアイヌバンド「誰にも見えない、匂いもない 2011」

日本語レゲエDJの父(?)、ランキンタクシーさんの曲。
今回は、20年くらい前に発表した曲をダブアイヌバンドと一緒に復活させた。ノリもいいし、皮肉もきいてるし、時事性が高くて素敵。
ランキンさんは、今回の反原発デモはもちろん、東京のマリファナマーチ(大麻の非犯罪化を求めて行われるデモ)にも参加したりしてるし、ガッツのある人ですね。

☆RCサクセション サマータイムブルース~LOVE ME TENDER

忌野清志郎率いるRCサクセションが1988年に発売されたカバーアルバム「COVERS」に収録されている二曲。このアルバムは、洋楽ロックの 名曲をRCがカバーしたアルバムなんだけど、なぜかオリジナルの歌詞ではなく、キヨシローが作詞した「政治的な」日本語歌詞で歌われている

このアルバムは、発売しようとした当初、所属するレコード会社からストップがかかって発売できなかった。会社側は、「素晴らしすぎて発売できない んです」とかわけのわからん言葉をぬかしたのだが、もちろん納得できないキヨシローは、「じゃあそうやって発表しろ!」と言ったため、発売中止の告知広告 には、「素晴らしすぎて発売できません」との文字が躍った。

ちなみに、発売が中止された理由は直接は発表されてないけど、事情はすっごく分かりやすい。このアルバムを発売中止にしたレコード会社は、東芝の 子会社(当時)である東芝EMIなのだけど、ご存知の通り東芝は(日立、三菱と並んで)原発を作っている「プラントメーカー」。子会社EMIから反原発ソ ングを発売されて批判されるのを避けるために、子会社に圧力をかけたというのが定説。

いやー大人の事情はきたなくてやだねw

ちなみにキヨシローはこの騒動の後で、「原発反対って言わなきゃいいんだろ?!」ということで、「原発賛成音頭」というシニカルな曲を歌ったりしてます。クール!

☆斉藤和義 ずっとウソだった

忌野清志郎をリスペクトしている(らしい)斉藤和義は、自身のヒットソング「ずっと好きだった」を替え歌にして、反原発ソング「ずっとウソだっ た」をネット上で発表。聞けば分かるけど、政府や電力会社のウソ(「安全です」)を批判している。所属事務所は、「本人の意思に基づいて発表したわけでは ない。うちわで撮影したものが出回ってしまっただけ」とか意味不明な言い訳をして火消しにかかったんだけど、こんな動画が投稿されたらネット上では祭りが 起きるに決まっていてw、あっという間に拡散。今では普通にようつべで見れるわけである。

これも悪くない曲だけど、「騙された」という表現はちょっと無邪気すぎる気がしないでもない。推進したい連中が騙そうとしてたのは事実だけど、う さんくさい「安全神話」によりかかったのは消費者の側でもあるわけで。「騙される側の責任」てのもあるよね。騙されてない人もたくさんいたわけだし。

☆Kraftwerk - Radioactivity

ドイツの電子音楽グループ、クラフトワークの曲。
クラフトワークといえば、「ロボット」やら「鉄道」やらをテーマに曲をつくっている「テクノロジーフェチ」みたいな人達なんだけど(ていうか彼ら 自身の愛称が「ロボット」だしw)、この曲はそんなテクノロジーの(ある種の)先端である原子力をテーマにしている。Radioactivityって「放射能」だしね。

この曲が最初に発表された時は、別に反原子力ソングではなかったんだけど、80年代以降は原子力関連の地名(「チェルノブイリ」、米スリーマイル 島のある「ハリスバーグ」、「ヒロシマ」、英の再処理工場「セラフィールド」)や、「STOP Radioactivity」などの歌詞が追加されて歌われるようになった。やっぱ時代的なもんですかね。

ちなみに、この曲が元々おさめられていたアルバムRadioactivityは、邦題は「放射能」となっていたけど、同時に「ラジオの活動」という意味もあって、アルバム収録曲の半分は、ラジオに関する曲だったってのがちょっと面白いw

―――――

核・原発批判ソングとしては、加藤登紀子の「原発ジプシー」とか、ブルーハーツの「チェルノブイリ」とか、佐野元春の「警告どおり 計画どおり」とか、(個人的にはあんまり好きじゃないんだけどw)最近発表されたECDの曲とか、けっこう色々あるけど、今日は割愛!
なんかオススメの曲などあったら、誰か教えてください。

☆おまけ


 

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