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2010年9月の記事

2010年9月25日 (土)

宮下公園の行政代執行

 予告どおり、宮下公園への行政代執行が行われ、支援者や野宿者の荷物などが一斉に撤去された。「みんなの宮下公園を守る会」など、「NIKE化」に反対する支援者は渋谷区が作ったバリケードの前で抗議行動を行ったが、あえなく排除され、作業は完了してしまった。その映像があるので見ていただきたい。

↑行政代執行に対する座り込み・抗議行動の記録映像。

 この映像のもっともグロテスクなところは、排除の瞬間にある。そこでは、警察だけでなく、民間警備会社の人間が出動し、「NIKE化」に反対する人々を排除していることである。公園という公的な空間が、誰にも開かれた場所から、まさに私企業の私有地へと変わろうとする象徴的な瞬間をとらえた映像である。

 前回の記事を書いて、もう少し自分でも掘り下げてこの問題について考えてみようと思ったので、また期をあらためてエントリーを書きたいと思った。
26日のデモには行ってみたいと思う。

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2010年9月23日 (木)

宮下公園の封鎖について

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 東京の渋谷に宮下公園というちっぽけな公園があるのだけど、そこが渋谷区によって閉鎖されてしまって問題になっている。今日は、このことについて取り上げてみたい。23日には大規模な抗議行動があるので、ギリギリの掲載だけど、ともかく載せてみる。以下、愛媛に住んでる友人・はるかさんのブログから転載。

東京都渋谷区にある宮下公園。
9月15日朝6時半頃、公園課、作業員、警備員、警察官など約200名が、宮下公園の9箇所の出入り口をすべて封鎖し、公園で生活している方たちを無理やり公園外に追い出す、ということが行われました。

タイムリーにブログ記事が書けなかったことは反省しきりですが、私はこれは「とんでもないこと」であると思うので、多くの人に事実を知って欲しいとの思いで記事を書きます。

宮下公園については、以前ブログでもちょっと書いたけど(ミクシィだったっけな)、どういう場所なのかもう一度。

宮下公園は、渋谷区にある公園。
2009年の8月に、渋谷区とナイキジャパンが「ネーミングライツ協定」を結びました。
これによって宮下公園は「宮下ナイキパーク」に名前が変わり、公園内は全面的に改修、スポーツ公園となることになりました。
渋谷区は「市民の要望を受けての計画である」としていますが、実はこれは一部の議員の働きかけで提出されたものであり、賛同署名はナイキの関連企業が集めたものであったことが後に明らかになっています。
また、宮下公園には、野宿生活をしている人たちがいます。
もしも改修が始まり、工事が行われるようになったら、この人たちは一体どこで生活すればよいのでしょうか。
2009年の7月に、渋谷区公園課の職員が、説明会で「宮下公園の工事にあたり、公園はフェンスで封鎖する。住んでいる人たちはどうなっても知らない」と発言しています。
この動きには多くの人が反対の意を示しています。野宿者支援の団体や、宮下公園を愛するアーティスト(宮下公園アーティスト・イン・レジデンス)などです。
反対の為の様々なイベントやアクションによって、現在まで工事は開始されないままでした。

しかし、15日早朝、公園課、警察官などが、いきなり権力を使っての強硬手段に出たのです。
現在も入り口は封鎖されたままで、多くの人たちが様々なアクションを起こして反対の意をとなえています。

15日の現場映像はこちら⇒http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/632

どんなことがあっても、権力による強硬手段というのはとられてはいけない。
ひとつひとつの小さな力が集まって意見を表明しているのに、それを権力で潰すなんて。
とんだ暴力国家ですね。
公園で寝泊まりしている人たちを見殺しにするような今回の行動は、絶対に許されることではありません。
人の命をなんだと思ってるんだ。

******

 それから、「ナイキ化」に反対している人の意見として、シンプルを示したものとしてシンプルで分かりやすいのは、みんなの宮下公園をナイキ化計画から守る会の以下の声明(09年の秋に発表されたもの)。


「宮下NIKEパーク」の命名権契約と改造工事の撤回を求める共同声明

2009年8月27日、渋谷区長とナイキジャパン社長の間で区立宮下公園を「宮下NIKEパーク」とする命名権売却の調印式が非公開で行われ、9月1日には渋谷区報に完成予想図が掲載されました。工事期間は9月~2010年4月とされ、十分な説明がなされないまま、公園の作り替えが行われようとしています。私たちは、この計画に関して主に4つの理由から撤回を求めます。

(1)宮下公園の公共的な価値を奪う計画内容
今回の改造工事では公園内に新たに有料のスケートボード・ロッククライミングなどの施設を設け、公園名が「宮下NIKEパーク」に変わります。すでにできているフットサルコートを含めると、公園の大部分をナイキ商品販促のための施設が占めることになり、実質的に利用者はスポーツ施設に関心のある人、つまりナイキジャパン社の潜在的顧客に限られます。本来、多面的な機能をもち老若男女が消費せずに憩える「公」園の価値が奪われ、商売を優先する一企業の意のままに変質されてしまいます。

(2)民主主義的な手続きを無視したずさんなプロセス
この計画は単なる命名権契約の範囲を大きく逸脱し、公園の中身の改造にも踏み込んだものです。にもかかわらず、渋谷区政はこの1年間、基本プランの公開を行なわず、市民からの意見の募集もせず、驚くべきことに区議会での議決すら経ずに区長と一部の議員のトップダウンで計画を実行に移しました。公募や競争入札が行われておらず、数ある企業の中からナイキジャパン社が選ばれた経緯についても情報の公開を拒んでいます。

(3)野宿を強いられる人々の追い出し
現在、宮下公園で野宿を強いられている約30名は、ナイキ化工事を理由に住まいを奪われようとしています。ナイキジャパン社・渋谷区とも、これらの問題について十分な説明や対応策を提示しておらず、当事者は不安を感じています。
昨年以降の世界的な経済危機のもと、仕事・住まいを失う人々が大量に生み出されており、東京都下の炊き出しには、前年を大きく越える数の人々が集まっています。行政窓口はこの事態に対応できていないにもかかわらず、都内各地で炊き出しをつぶし、同じ渋谷区では区役所駐車場で夜を過ごす約40名を10月にも締め出す計画が進められています。このような状況のもとで宮下公園を含めた公共空間は、経済的・社会的な排除を受ける流動的貧困層の避難場所としての機能を実質的に果たしています。公園から野宿者を追い出すことは、直面する当事者の問題だけにとどまらず、仕事・住まいを失ったすべての人々の生命を著しく危険にさらす行為です。

(4)グローバリゼーションの典型としてのナイキ化計画
いま、ナイキジャパン社が宮下公園で行っているのは、公園の社会的、地域的、倫理的な次元を無視し、公共空間を、制限なく商品を販売するための場として意のままにすることです。規制緩和のなかで、議会での議論や情報公開などの正当な手続きが省略され、貧者の排除が強行されます。この、地球のすべての空間を市場原理に従わせ、あらゆる活動を市場と商品に変換しようという動きは、宮下公園だけでなく日本や世界各地で進行しています。一握りの多国籍企業による社会全体の再編であるグローバリゼーションの進行、このような動きに私たちは反対します。

 と、以上の内容で、「宮下公園で何が起こっているのか」ということの概要が分かっていただけたと思う。早い話が、渋谷区とナイキが勝手に市民の公園を奪い取り、貧乏人を排除し、金儲けの場所にしようとしている、ということだ。

 この封鎖が行われてからの状況は本当に日々ものすごい勢いで動きが起こっており、僕も十分には把握できていない。行政側は、強制的に荷物などを撤去し排除するための「行政代執行」を行うことを決定、対する「NIKE化」反対派は、渋谷区側の対応の不当性などに抗して、訴訟を起こすことを決定(24日に提訴予定)。有識者が反対の声明を出したりと、予断を許さない状況になっている。

 僕としては、典型的な多国籍<搾取>企業のナイキなどという企業の広告のために公園が潰されてしまうということに、本当に納得いかない気持ちを持っている。ナイキなどというのは、児童労働などの搾取問題で、海外では大規模な不買行動などが積極的に起こされている企業である。

 ちなみにこういう議論になると、すぐ「野宿者が邪魔・危険・臭いのだから、排除は仕方ない」などというヘイトクライムのような発言が飛び出るけれど、それを生み出しているような構造的な問題点を指摘しないで、全てを個人の問題に帰すような論法は退けないといけない。誰のせいで貧富の格差が広がり、誰のせいで路上で生活しなければいけない者が生み出されているのか、その責任者を突き止める必要がある。

 また、「野宿者だって別に公園に住み続けたいわけではないのだから、反対派の主張は変だ」という人もいるかもしれない。確かに、当事者の望むことは、安定した「居場所」での生活だろうから、公園生活を長引かせることが目的であるかのような言説のみを主張すれば、それは論点がずれているかと言われても仕方ない。だが、渋谷区・ナイキのやろうとしていることは、「代替案のない排除」でしかない。もし「当事者の自立」などと言うのであれば、否応なく野宿を強いられる人のために十分なセーフティネットなどを用意し、そもそも野宿に陥らないで住むような制度構築をするのが、行政の義務ではないか。排除が先に来ることを正当化する理由はどこにもない。

 たぶん、今回の排除は横浜でのAPEC開催に先駆けての排除的意味合いもあるんだろうなと思う。国際的な会議やイベントの際には、公園から野宿者が排除されたことが幾度となくある。それが今回も繰り返されるのかと思うと、全くやるせない気持ちになる。

 とにかく、いま渋谷ではそういうことが問題になっている。上で触れられているので改めて指摘するまでもないが、重要なのは、これは必ずしも渋谷区・ナイキ・野宿者・渋谷市民・アクティヴィストなど、そこに直接関わる人間のみの問題では決して無いということである。公共空間はいかにあるべきか、その問いがあらゆる人に対して投げかけられているのである。

フェンス封鎖に反撃!!9月23日緊急!1時だヨ!全員集合!!、9月26日抗議デモ

集合場所 宮下公園明治通り沿いの大階段
(場所が変更の場合は、現地でアナウンスします。)
時間 午後1時
*「1000人大包囲行動」は名称を変更しました。
*内容その他の追加訂正情報はブログにアップするので注目ください。
*ビラをつくろう!思い思いのビラをつくって来てください。当日に印刷の手伝いも出来ます。(migrantblacky@gmail.comまで電話番号を添えてもらえれば折り返し連絡します。)
*服装やコスチュームでのアピールも大歓迎。
*今回の行動中に、嫌なこと、困ったこと、気になることがあれば、スタッフに声をかけてください。また、行動から一時的に離れたい場合は、セーファーブースをご利用ください。
*各種メディアが、行動の撮影を行います。お手数ですが、自分が特定されるのを避けたい方は、変装など各自での工夫をよろしくお願いします。また、撮影について気になる方は、スタッフに声をかけてください。
*取材の方は、主催を通してから行ってください。

宮下公園の「ナイキ化」計画については、それを取り巻く人々へのインタビューなどをまとめた秀逸なドキュメンタリー映像があり、この問題を理解する手助けとなるので、オススメ↓(youtube版だと#7まである)



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2010年9月18日 (土)

10月2日に、阿佐ヶ谷ロフトでイベントするよー

 今度の10月2日(土)、東京の阿佐ヶ谷ロフトというところで開かれるイベントに、なぜか僕がゲストとして参加のお誘いを受けたので、その告知をしておく。もっと早く告知しようと思っていたのだけど、気付いたらもう10日前ぐらいになってしまっていた。あわてながら掲載。

氷河期世代ユニオン presents
考えよう、若者の雇用と未来~働くことと、生きること~

かつて、就職氷河期と呼ばれた時代に社会に送り出された若者たちの多くは、限られた選択肢の中から不本意な就職先を受け入れ、2008年以降、再び訪れた不況と同時にその職を追われました。
総務省が今年5月に発表した調査によると、2010年1-3月期の完全失業者数は332万人、うち1年以上の完全失業者は114万人という結果が示されています。
年齢相応のキャリア形成もままならないまま職を追われた若者たちは、既に「若者」と言える年齢からも遠ざかり、新たな就職先も見つからないまま、未来に希望を見い出せないでいます。

一方、企業の新卒採用に乗り遅れれば後が無い学生たちは、
年々、早期化・長期化する「就活」に追われ、大学も、そうした風潮を後押しし、就職予備校と揶揄されるほど、学生の就職率アップに躍起になっています。
果たして、これまで私たちが目指してきた社会とは、こうした不公平で息苦しい社会だったのでしょうか?
いま、改めて問い直さなければならない、働くことと、生きること・・・とは?

【第1部】 氷河期世代の苦悩
求人広告、履歴書、職務経歴書、職業訓練のほか、年齢、学歴、性別、容姿などの差別をキーワードにトークセッション

【第2部】 「就活」の現在(いま)
新卒一括採用、エントリーシート、自己分析、インターンシップ、自己PR、企業説明会、大学の就職予備校化、就活の早期化と長期化、リクナビ・マイナビ、交通費などをキーワードにトークセッション

【第3部】 働くことと、生きること
働くことと、生きることをテーマにトークセッション

【司会】
荻上チキ(批評家)
【出演】
雨宮処凛(作家)
赤木智弘(フリーライター)
山内太地(大学ジャーナリスト)
ペペ長谷川(だめ連)
大友秀逸(加藤智大被告の元同僚)
清水直子(ライター・フリーター全般労働組合)
塩見孝也(元赤軍派議長)
増澤諒(就活生の本音フェス実行委員会代表)
大瀧雅史(就活くたばれデモ@札幌・首謀者)
AT(氷河期世代ユニオン)ほか ※ 敬称略

10月2日(土) OPEN18:00 / START19:00
前売¥1,500/当日¥1,700(共に飲食代別)

問合せ : hyougakisedai@gmail.com
主 催 : 氷河期世代ユニオン
URL : http://www.loft-prj.co.jp/lofta/schedule/lofta.cgi?year=2010&month=10
Twitter:#hyougakisedai
※当日はニコニコ動画によるライブ中継があります。
※出演者は都合により変更になる可能性があります。
前売りチケットは8月25日よりローソンチケット【L:31740】
当店のウェブ&電話にて販売開始

 スケジュールが載ってるロフトのページはこちら→http://www.loft-prj.co.jp/lofta/schedule/lofta.cgi?year=2010&month=10

 本来であれば、このイベントの僕の座は、「就活のバカヤロー!!デモ」を企画した早稲田のHくんが出る予定だったのだけど、彼がこの日に外せない用事があって、僕が代打として依頼されたのである。それから、僕とこのイベントを企画している氷河期世代ユニオンの小島さんが知り合いだったことも理由。まったく知らない人から依頼が来たわけではない。

 にしても、友人にこのイベントのことを話すと、このそうそうたるメンツに「すごいじゃないか!」といわれたりするんだけど(そして実際すごい人ばっかりなんだけど)、僕はテキトーなので、あまり深いことは考えていないのである。色んな人と色んな話ができたらいいかな、なんて。ちなみにこのイベントはそれぞれの部で「メインステージ」と「サブステージ」の二つがあり、僕は第二部のメインステージと、第三部のサブステージで登壇する予定。

 ちなみに、上のゲスト一覧のところに、「就活生の本音フェス実行委員会代表」という肩書きの増澤さんという人がいるのだけど、この「就活の本音フェス」というイベントはつい先日、東京の代々木公園で行われたもので、主旨は就活に関する本音を表現すること。もっと直接的には「就活に対するネガティブな思い」を表現することが目的とのことで、新卒採用にブチ切れる茂木健一郎氏などゲストとしてを呼んで開催された。

 このイベントについては、「就活の問題提起をする」という点ではとてもいいことだと思うけれど、就活ビジネスで儲けてるようなセミナーのやつらを呼んでて、果たして本音がぶちまけられるのかなど、少し疑問なところもあった。僕だったら、「俺はお前らが気に食わないんだよ!」と(就活セミナーの輩に)ヤジでも飛ばしたくなると思う。 まぁ直接、参加したわけでもない僕に偉そうなことが言えるわけじゃないんだけど。企業から協賛などをもらって、開催していることについて、僕の知り合いは、「資本主義の匂いのするイベント」などと冗談を言っていたw まぁ僕とはちょっと毛並みの違うような印象は受けた。 (ちなみに茂木さんの録画した動画を見ると、茂木さんは歯に衣着せぬ本音を言いまくっていて、それはそれで面白いw →就活生の本音フェス(1)2010年9月14日 まぁ彼はかなり上から目線なので、それは気になるけどね)

 いや、印象論で「なんか違う」とか語るのはよくないんだけどさ。。

 

 ただ、この増澤さんに関しては、「いったいどんな人なんだろうか」と僕はかなり興味を持っている。雨宮処凛さんにコンタクトを取って、インタビューしてもらうぐらいだから、どこか僕とも近いセンスもあるのではないかと想像したりする (参考→ 雨宮処凛がゆく!「新卒」至上主義って変じゃない? 〜「就活」不条理劇場〜 その1。の巻

 まぁともかく、阿佐ヶ谷ロフトのイベントでは色んな人がゲストとして来るので、できれば多くの人に、当日足を運んでもらえたら嬉しい。東京のイベントなので、難しい人も沢山いると思うので、そういう人は、(上の告知にも書いてあったけど)ニコニコ動画での生中継を見てみてくだされ(URLはよくわからないので、また更新するかツイッターででも告知したいと思う)  →URLはこちら http://live.nicovideo.jp/gate/lv27956361

 下の窓からも見れるらしい。。

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2010年9月17日 (金)

内定ブルーと、就活「後」についての雑感

 昨年の就活デモ以降、付き合いのある友人がmixiの日記で、就活以降の「内定ブルー(いざ内定は決まったが、それについて色々不安になったり葛藤したりするやつ)になった気持ちを書いてて、おもろかったので了解とって転載( 「研究してる思想家の名前出すと、個人が特定されるかも」っていう本人の要望で一部伏字になってる)。ちなみに彼のツイッターアカウントはこれ→@shoppon http://twitter.com/shoppon (かつてこのブログで「くたばれリクルート」に転載した、合同説明会のルポを書いてくれた人)

内定が決まってからというもの、今までに経験したことのないほどの拘束感に苛まれている。定期的にレポートを企業に提出しなければならない し、在学中なのに数回会社訪問もしなくてはならない。しかし、個人的にもっとやっかいなのは、そういった物理的なタスクよりも、心理的な違和感だ。企業、親、周りの無言の視線・期待・圧力。「もう馬鹿はできない」という自己制限とか。

 私は不器用で馬鹿な人間なので、学生としてのアイデンティティと、企業人としてのそれを同時に共存させることができない。だってよく考えてみてもらいたい。××××××だぜ?ド変態のネクラ思想家を研究してるやつが、どうして学生時代に企業人としてのあり方を内面化できるんだろうか。例えば、内定者懇談会なんかで「×××は真理である」とか言ったらそれこそあらゆる意味で「終わり」そうだけど、俺正直言いそうだもんw。だって俺そういう人間だから。内定ブルーの本当の原因って、自己束縛との戦いにあるのかもしれないと、思った。
 
 
 しかし、ある種のメンタリティをもつ人々にとって、もしかしてそれはとても心地良いものなのかもしれない。フロム言うがごとく、人間は自由を欲 しはしないのである。ちんちんぶらぶらした不安な学生生活よりも、カチッと未来に方向づけられた拘束された生を望むのもまぁ、分かります。 でも、

 「学生と社会人は違いますから」
 「学生は甘えですね」
 「学生の世界は狭い」

 とか、まだ学生にもかかわらず、したり顔でそんなこと言うやつは相当信用できない。そういうやつには「現在の自己を否定して、君は幸せなのか」 とまず問いたい。学生のあり方の可能性を狭めているのは、他ならぬ君自身ではないのか(おんなじ意味で、最近流行りの「夢に日記を付ける」とかいう行為にもなんか気持ち悪さを感じる)。

 今を生きる。とか言いたくないけど、少なくとも、現在の自己を真っ向から引き受けないなんて卑怯なんじゃないか、とすら思う。要は今学生なんだから、好きなことさせろ、って言いたいだけなんだけどね。暴れさせろってことなんだけどね。青春返せ。

 就活で苦戦して「もうどうにもならん」ってなってる人からすれば「内定出てるんだからいいじゃん」となるかもしれないけど、それでもこういう風に悩むのは普通のことだと思う。ていうか入社の一年も前に内定が決まるんだから、悩まないほうが変だろう。

 大体にして、まだ学生として大学に所属している若者に卒論やら修論やら、その他色々の事柄をする時間を奪って、うんこみたいな課題をやらせるというのは一体なんなんだろうか。他の友人は、「入社までに取らないといけないんだよー」と簿記2級なんかの勉強をしている。就活の準備エセインターンやら、企業研究、SPI対策などなど)、就活の本番(筆記試験、面接などなど)でただでさえ時間を取られてるのに、就活が終わった後もこれである。学生はいつ学べばいいのだ(企業のやつら、いい加減にしやがれ)

 彼が上の文章で指摘している「精神的な順応」への違和感というのはよく分かる。これは確かに気持ちの悪いものがある。企業社会の価値観への適応力が高く、またそこに進んで「洗脳」(という物騒な言葉をあえて使ってみる)されたがるような人間にとっては、就活の価値観は必ずしも悪いものではないのだろう。彼らにとって、大学の教室で学ぶべきことはさほど重要でなく、「人脈づくりw」と「自己投資w」、そして「自己啓発w」に余念がない(学外で色々な人と関わったり、経験したりすることはとても大切だが、ビジネスだけが世界の真実ではない。ひとまず「企業人=社会人」のような偏った価値観を壊す必要があるんではないか)
 で、まぁそうした価値観に適応できるやつはよろしい。しかし、そうした価値観に拒絶反応を起こすやつや、「なんとなく乗り気になれない」やつだって確実にいるのだ。というか、そもそも大学とは、ビジネスパーソン向けのメンタリティーを養う場所ではないのだから、それももっともなことだ。哲学やら芸術学やらのどうしようもない学問(←誉め言葉)に精を出している人間が、突如として、ビジネスのことを目を輝かせて語り出したら、この世の終わりのような居心地の悪さを覚えるではないか。会社人間のような語りは就職してからやれ。

 僕の周りの人や、僕がtwitter上でフォローしている人を見ていると、就職が決まらずに疲弊している人は決して少なくない。「コミュニケーション能力」などという、何かを示しているようで何も示していない、曖昧模糊とした指標で自分を売らなければいけないのだ。うまくいかなくて悩むのは至極当然のことだろう。僕のような、就活をさんざんこき下ろして、人生なめてるようなクソガキが就職できないのは、まだいい(いや、良くないんだけどしかたねーよw)。マジメに、将来のために就職しようとして努力している人間が、それでもどうにもならずに、自分を責めたりしなきゃいけない状況はやっぱりおかしい。

 今年の8月の時点で、「大卒就職率60.8% 8万7千人が進学も就職もせず」なる記事が出ていたけれど、ここに卒業しないで就職留年した人の数と、それから就活がうまくいかなくて大学院進学を決めた人も加えたら、一体どのぐらいになるんだろうかね。 就職氷河期の時って、「まぁ卒業してからでもなんとかなるんじゃなーい」ってなことを思ってた人もいるかもしれない。でも、「新卒」と「既卒」の間に、どうやら超えられない壁があるらしいということが、(ロスジェネの方々の犠牲の上に)判明したので、「新卒カードを逃してはいけない」って就職留年する人も、絶対多いだろう。単純な報道の数字だけではよくわからないが、とにかく悲惨な数に違いない。

 全く、就活なんてクソすぎる……あれ、そういえば新卒要件緩和の話(「大学卒業してから3年は新卒扱い」にするってバカな提案)って記事書いたっけ…(久しく ブログ更新してないから書いてないような気もする)。あれも、もちろん今よりかはマシな提案だけど、問題の根本的な解決にはなってない。新卒だけを特別扱いすること自体が奇妙な話なんだから、それ自体廃止したほうがいい。もっと大きく制度を変えないといけないんだよ。「じゃあどうするんだよ?」って偉そうに聞いてくるやつもいるけど、お前も一緒に考えろ!これは大学生だけの問題じゃねーんだよ!

 まったく、就活のことを考えていると、不愉快な気分になるのだが、いつにも増して駄文を書き散らかしてしまった。テラ氏はる氏のようなスマートな文章が書きたいと思ったけど、人にはそれぞれの性質があるような気がしてきたから、別にいいw ていうか、僕もマトモに書こうとすれば、アジテーションじみてない文章も書けるんだけどさ。まぁそれもどうでもいいや(こうしてO瀧は人から危険人物のようなレッテルを貼られるのであった)

 言いたいことは一つで、要するに「就活はクソだから、さっさとくたばれ」ってことだ。以上! 終わりだ終わりだ!

(動画はイメージです。本文とはほとんど関係ありません)

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