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2010年3月 1日 (月)

フェミニズムってなんだろう---『東大で上野千鶴子にケンカを学ぶ』

東大で上野千鶴子にケンカを学ぶ Book 東大で上野千鶴子にケンカを学ぶ

著者:遙 洋子
販売元:筑摩書房
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 非常に面白い本だった。これは、フェミニズムや、その旗手である上野千鶴子についての興味や、学習のきっかけを与えてくれる軽快なエッセイである。

 本書は、タレントの遥洋子が、「ケンカの仕方を学ぶため」に、東大に通い、上野千鶴子の授業に参加し続けた話を中心に書かれている。「ケンカ」というのは、要するに議論のことで、ジェンダーやフェミニズムに関する議論をするとき、どうしても「男」に負けてしまう遥は、その悔しさを抱えて、上野の元を訪ねる。
 (こう言っちゃなんだけど)遥は聞いたこともないような短大を卒業したのみで、アカデミックな勉強に慣れているとは言えないような人物。しかもテレビ業界という、「俗」の代表であるところ(セクハラなどが日常的にあるよう)からの「まねかれざる客人」でもある。

 だから、東大という場所の「別世界」ぶりに戸惑う。しかも、上野は「門外漢(女?)」である遥にも容赦しない。ダンボール一箱分はあろうかという文献を平然と読ませる。 しかし、その彼女が、その「俗世間」の代表として大学(しかも東大)という場所を観察し、見えた様子を描写していく様は、大学という空間に当たり前にいる人間には見えないものを見せてくれる。それは、人類学者という「他者」が、フィールドワークに出かけ、参与観察をする姿とどこか似ている。つまり「よそ者」の目だ。

 やがて遥は、猛勉強を重ね、要求された文献の三倍近い読書をこなす(これが本当にすごいと思う)。だから、後半の方は、段々とフェミニズム的な考察も増えてきて、前半のような素朴さが消えてしまうので、残念といえば残念だが、その成長振りは思わず舌を巻いてしまうほどだ(もちろん僕なんか足元にも及ばない)。

 これを読んだ後、思わず「うーん、上野千鶴子はカッコイイなぁ」とうなってしまった。だから冒頭でも書いたけど、上野という人間を通してフェミニズムというものに興味が沸くというのが、この本のすごいところだ。文章も面白い。文庫版も出てます。

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