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2010年2月19日 (金)

くたばれリクルート

 先日、札幌の就活くたばれデモのメンバーの一人が、連絡用に使っているML(メーリングリスト)で、興味深いメールを流していたので、今日はそれを転載することにする。

 内容は、リクルートが主催している合同説明会の報告。ちなみに説明すると、就活デモのメンバーの中には、実際に就活をした人、まだしていない人、そもそも就活とはあまり関係のない人(たとえば既に就職した社会人)など、いろいろな人が参加しているのだが、彼はまだ就活をしていない派の人。

 以下、転載。

最近思うことがあります。「就活くたばれ」といいつつも、「就活童貞」では説得力もクソもないじゃないか!と。
そういうこともあって、デモ参加者を勝手に代表しまして2月10日(水)、札幌ドームで開かれたリクルート主催の合同企業説明会、その名も・・・

    リクナビ就活攻略☆LIVE!(笑)

に潜入してきました。良い迷惑です。

合同企業説明会とは、その名の通り、複数の企業が大会場にブースを設けて学生に対し企業説明や個別相談を行ったりするイベントなのですが、かの『就活のバカヤロー』著者の石渡氏が言うように「イベント化、フェスティバル化」してしまった就活業界を最も如実に表す場でもあります。有名企業の説明会に参加せんがため、鼻を照からせた就活カップル達が長蛇の列を作っている様は、さながら某テーマパークのようでした(写真も撮ってきました。会場内に撮影禁止と書かれていたのですが、テーマパークである以上、撮影ぐらい許されてしかるべきです)。しかも、会場内に出店まで設けている徹底振り。
凄いョ・・テーマパークにみんなスーツ着て来てるョ・・・。

そんな中、私はというと、先ず始めに、ブラック企業として名高い外食チェーンのZ社のブースに興味本位で参加してみました。
さすがブラック!とでも言わんばかりの閑古鳥。隣の北ガスやJTBのブースは立ち見が出るほどの人だかりだったのですが、油っぽい中年人事の執拗な勧誘にホイホイついて行ってしまった私なのでした。弱いチーム程応援したくなる心理、分かりますよね。

狭いブースの中の椅子に座らせられ、「就職活動どう?」とかその人事に慣れなれしく聴かれたので、「ネットでカチカチやってますよ!まさにワン☆クリック就職時代の到来ですねっ!」とか気の狂ったような答えをしたら、「有難うございます!」とかいう訳の分からない返事が返ってきました。

セミナー開始。

「世界の食糧危機を解決したい!」(絶叫)
とか
「仕事に必要なのは目標です!そのためにはやりがいが必要なのです!」(絶叫)
とか
「私達は本気です!」(絶叫)
とか、
犬も食わない精神論の連発に辟易した私は、そそくさと一人立ちました。

退場しようとしたら、後ろに控えていた別の人事(結構綺麗な女性)に、「よかったら、連絡先教えていただけませんか、今度個別的に面会したいので」みたいなこと言われ、適当に書いたカードを渡しました。
カルト教団のセミナーですね。分かります。

大企業の方も見なくては実態は分からないと思い、今度は巨大なスペースを惜しげもなく占有しているNHKに参りました。
開始五分前入場、席に座ってビックリしたのは、なんとアウトソーシングのプロの司会付きで、前面に特大スクリーンと巨大スピーカーが設けられており、さながら音楽フェスティバルのようだったことです(ここらへんが、よく言われる就活業界における企業間格差の表れでしょう)。
出てきた人事は、Z社のときとはうってかわってユルイ感じの人。適当に話をするばかりでした。そして、以後、時間のほとんどはNHK紹介のビデオを見せられただけでした(しかも、このビデオ、以前当のNHKの番組で職員採用情報として一般公開されたものです)。得るものは何もなしといったところです。

なんか馬鹿らしくなったので、家に帰って寝ました。

・・・・・・・・・・・


とはいいつつも、この腐れ就活イベントから、改めて実感したことがあります。

それは石渡氏も指摘するように、就活産業自体が、全体の主役である学生達を追い越してしまって、企業間の広告戦争の場となっているということ。まさにこのことです。

他社に遅れをとるまいと、学生を呼び込もうと必死になっている企業ブースを見ると、それがたとえブラックと呼ばれていようとも、少し可愛そうになってしまいました(だからといって、「やりがい」とか「夢」とかいった耳障りのいい言葉で労働者をいいように使って捨てるその姿勢は断固粉砕すべきですが)。
広く言えば、企業も就活の犠牲者なのではないでしょうか。

今回の収穫といえば、帰り福住駅に向かう道中で、キャピキャピの就活ギャル二人組が、

「××(男の名前)とは絶対付き合えないよ。最高の友達だとは思うんだけどね」
「えぇ〜、いいじゃん」
「だって、アイツ、やさしすぎるんだよ。いい人過ぎる男ってカレシとして現実感ないよね」
「確かにwww]

というガールズトークを盗み聞きして、悦に入ってたことぐらいです。

結論として、

・こんな腐れイベントなんぞ別に参加しなくても良い。ただ、アミューズメント的要素が強いので、意外と暇つぶしにはなる。

・合同企業説明会は、学生本位のものというより、企業の広告戦略の場である。

・後は自分で考えるしかない。

といったところでしょうか。
以上報告でした。

 人によって好き嫌いがあるかもしれないが、こういう脱力系の文章が僕は嫌いじゃないw 就活を小馬鹿にするには、こんな文章がふさわしい。

 思うのだけど、就活の現状というのは、就活に深い関心を持っていない人にはあまり知られていない。就活くたばれに関して批判をしている人の中には、「働く上では就職活動をしなきゃいけないんだから甘えるな」みたいなことを考えてる人もいるのかもしれない。しかし、上の報告でもあるように、「就活」というのは、一般的な「仕事探し=就職活動」というものを超えて、もはや企業にとっての商機のようになっている感がある。

 上の報告をしてくれた彼は、イベント化・フェスティバル化する就職活動に関して、別のメールで以下のようなことも書いている。

能登路雅子さんの『ディズニーランドという聖地』(岩波新書)という本の中に、

「園内全域に散りばめられたアメリカの神話的イメージの中を散策しながら、彼らは民族の英雄と自らを一体化させ、死と再生のドラマを演じ、そして、この世は安全で美しく、希望に満ちた場所であることを確認しあう」(204頁)

という一説があります。

それを件の合同説明会に置き換えて変換すれば、

「会場内全域に散りばめられた仕事の神話的イメージの中を散策しながら、彼らは社員・内定者と自らを一体化させ、理想の人生のドラマを演じ、そして企業は安全で美しく、希望に満ちた場所であることを確認しあう」

となりますが、どうでしょうか。
コトバ遊びですが、なかなか的を得ていると勝手に思っています。

もしも、就職というものがのっぴきならない現実の契機であるならば、その入り口がこのような共同幻想のような形で行われていること自体、ナンセンスに感じられます。

 なかなか面白い指摘なんじゃないかなと思う。

 僕が「就活くたばれ」と叫ぶ理由の一つとして、若者の人生選択の機会を企業宣伝の場とするような企業と、金儲けのためのシステムに組み込む就職情報会社の意図が気に入らないという感情がある。だから逆に言うと、そもそも「就活」の現状というものがどういうものか分かっていない人には、僕のような学生が「就活が気に入らない」「おかしい」と言っても、何が不満なのか分からないんだろうと思う。(もちろん、その商業主義だけが問題ではないのだけど、それが不満の理由なのは確か)

 就活のバカさ加減について知りたい人は、一度でいいから大学の中に入って、掲示板などで就活に関する情報がどれだけ溢れているか見てみて欲しいと思う。ものすごい金をかけて作られた色とりどりのポスターが踊っている様子に首を傾げたくなると思う。

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コメント

初めまして。

ブログ、勝手に読ませていただきました。
面白いし勉強になります…!
更新期待しています。また来ます。
突然のコメント失礼しました。

投稿: どんち | 2010年2月23日 (火) 00時26分

>どんちさん

ありがとうございます!
これからも、一部の人に喜ばれ、一部の人から嫌われるような日記を書いていきたいと思いますので、よろしくお願いします。

投稿: O瀧 | 2010年2月23日 (火) 07時22分

10日以上も前の話なので見ていてくださるかわかりませんがw
僕自身も大学院1年で今就活に挑もうというところなんですが
就活のバカヤロー含むあらゆる就活絡みの本を読んで
つくづく日本の就活というものに嫌気がさしてます
いや、正確には就活ではなく日本企業そのものですね
年功序列・終身雇用という腐敗した過去の遺物により
生み出された現在の新卒至上主義
企業は社員を原則解雇できないという原理が法律で認められている以上
企業は採用に慎重になり、いわゆる「無難なヤツ」しかとらない
面接で求めるものは「自社への熱意」
「社会貢献したいです(キリッ」なんてのが志望動機としてまかり通ってしまう
「3年くらいで転職も考えてるんですけど」なんて正直に話そうものなら待っているのはお祈り
あまりに時代遅れでそぐわない仕組みのせいで
学生は本音でぶつかろうたって制約が多すぎてできないんですね
この腐った就活を変えるには労働力の流動化以外にないと思います
企業と社員は所属関係ではなく契約関係であるべき
企業と労働者は年度単位、あるいはプロジェクト単位で契約を
結び、企業が「こいつはもっと働いてほしい」と思ったら契約を
延長する、いらないと思ったら解雇する
そういう仕組みが理想だと僕は思ってます
「解雇される可能性はあるが、その分契約への敷居は低く
 ダメでも次の仕事が見つかりやすい社会」
そういう風になってほしいです
まぁこれらは「新入社員はなぜ3年で辞めるのか」の城繁幸氏の受け売りですけどもw 僕自身も完全に同意です

投稿: TOMOT | 2010年3月 8日 (月) 07時58分

>TOMOT さん

コメントありがとうございます。

僕は城繁幸はあまり好きではないのですがw(東京の就活デモに関しても、「連合とか社民党にデモをやるべき」みたいな的外れなことをツイッターで書いていた)、まぁともかくただ上の世代に生まれた人が若者に借金を背負わせ、こきつかい、挙句に「最近の若者は努力が足りない」なんて言う様な仕組み(って単純化しすぎかも)はよくないですよね。

まぁ、雇用が流動化しようが、固定されていようが、そこは問題ではなくて、誰もが人間として尊重されて生きられる社会が僕の理想なんですが。

投稿: O瀧 | 2010年3月10日 (水) 05時56分

大滝さんありがとうございます
大滝さんが城氏をあまり好きでないというのは意外でした
2人の主張は似てるのかな、と勝手に思っていたものでw
いずれにしろ現状をよしとせず、不満に思い声を上げる方
大好きですw
僕自身は北海道からも東京からも遠く離れた地にいるので
デモとかに出るのはかなり厳しいのですが
陰ながら応援してます!
デモや暴動のない社会って健全のようでなんだか気持ち悪い
是非はともかくもっと起こってもいいと思うんです
これからも楽しく読ませてもらいます★

投稿: TOMOT | 2010年3月14日 (日) 17時15分

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