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2009年11月30日 (月)

「就活のあり方に対する問題提起」の射程と多層性

僕は基本的にバカなので、色々考えるよりも行動に移すのですが、就活くたばれデモに関しても行動を起こしてから、色々と考えました。

 で、ふと気付いたことがあるのですが、「就活くたばれ」(もしくは「就活のバカヤロー」)という言葉に共感するとき、その共感の度合い、問題意識の度合いというのは、大まかに分けて三段階あるんじゃないでしょうか。今回はそれについて報告をいたします。

 「就活くたばれ」の一つ目の段階は、単純に就職活動に直面して、「なんか気に入らないぞ」「なんでこんな苦労しなきゃいけないんだ」「なんかおかしくないか」と疑問や不満を抱く、という感情的なコミットメントの段階です。
 札幌デモのシュプレヒコールで言えば「面接官調子乗るなー」「セミナーきもい」「ネクタイ息苦しい」などがそれに関係します。これは、大半の大学生に共有されるものでしょう。

 二つ目は、「就活に関して抱いた不満や疑問は、今の就活のあり方に原因がある」という立場です。単純な疑問や不満の根っこにある就活システムの矛盾(不備)に問題意識を持ち、その改善を目指す立場で、具体的には、「就活始まる時期が早い(遅くしろ)」「面接に行く時の交通費をよこせ」「大学は就職予備校じゃない」「新卒一括採用なんかなくなっちまえ」などの言葉に表れるでしょう。

 三つ目は、やはりそのような就活のシステムに表われている矛盾は、社会のシステムのあり方が引き起こしたものであり、現在の社会のあり方を変えないといかんともしがたい、という立場です。もっと具体的に言えば、就活が果てしない内定獲得競争になっているのは、景気の動向に左右される資本主義的・新自由主義的なシステムの下では、ある程度仕方ない、といった見方です。

 僕は就職活動に象徴されるような競争主義は、非常に「資本主義的」だと思っています。つまり、さっきの二段階目では「フェアな就活を」とか「就活のあり方を改善しよう」と言っていますが、この三段階目では、「そんなにあくせく競争しなくても生きていける社会ってないの?」という、ある種夢想的とも言える問題意識まで含んでいます。それは、ベーシック・インカムなどの、新しい社会のあり方までも射程に含んだ問題提起となりえます。

 これは、ある意味非常に「反グローバリゼーション」(運動当事者によって、「オルター・グローバリゼーション運動」とか「グローバル・ジャスティス・ムーヴメント」と呼ばれるもの)的な性格を帯びています。
 分かりやすく言うと、「身近なグローバリゼーション問題としての就活」という視点ですね。


 札幌のデモの時、シュプレヒコールで「仕事をよこせー」と言いつつも「働きたくないぞー」と矛盾したことを言っていたのは、おそらくこの二段階目と三段階目に生じる矛盾の表れなんだと思います。二段階目では、現今の社会システムをある程度是認しているので、「生きるための仕事をよこせー」といった主張が出てきましたが、第三段階の意識だと「そもそも働かないでも生きていける社会ってありえないの?」という問いかけ、もしくは叫びを含んでいたため、それらは互いに矛盾したのです。道新の記事はそのあたりの問題意識を反映していなかったために、わりとシンプルな報道記事になっていたんじゃないでしょうか。


 と、以上、自分でデモを企画しながらも、その「就活くたばれ」という言葉へのコミットメントには人によって段階的な違いがあるということにいまさら気付いたので、ご報告いたしました。もちろん、その三つはそれぞれ関連していますし、明確に切り離すことはできませんが、一応、目安として三つに分けて考えることは可能だと思います。



 もちろん、「いや、それよりもこういう分け方をした方が…」などの意見もあるかとは思いますので、ご意見いただければありがたいのですが。

 ともかく「就活くたばれ」と言いながらも、その理想とする場所、問題意識は段階的(多層的)なんだなーと思いました。ネット上での「就活くたばれ」への批判が多層的なのも、そうしたことの反映だと思います。

 なので、当日デモに参加した方がどのような意識で参加していたのか、ということにも差があるとは思います。個人的には、その意識を完全に統一することはファシズム的で気持ち悪いと思いますが、一応、お互いがどんなことを考えているのか、ぐらいは話し合ったほうがいいかもしれないですね。


これからの話し合いは、そうしたところを意識しつつやっていこうと思っています。

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コメント

管理人のO瀧です。

このブログに何度かコメントをよこしている人で、「O瀧」の名前を使っている(騙っている)人がいます。

紛らわしいのでマジで勘弁してください。

その名前で書き込みする限り削除させてもらいます。

投稿: O瀧 | 2009年12月 2日 (水) 23時42分

この間、学内であった4年生対象セミナーにいった時に、北大生の就活デモのことを企業の人事部がおっしゃっていました。行動力を評価する一方で、方法はあまり良くないとおっしゃっていました。もし今後一般企業への就職活動を続けるなら、貴方が思う以上に貴方の名前と行動は知られてるし、大変だと思います。内定ニンジン目指して頑張ってください。

投稿: MO | 2009年12月 6日 (日) 10時22分

>MOさん

別に僕は自分のしたことを何ら恥じていないし、隠すぐらいなら最初からしてません。しつこい嫌がらせと余計なお世話、ありがとうございます。

投稿: O瀧 | 2009年12月 6日 (日) 18時16分

>MOさん
その企業の人事部の方が言うより良い効果的な方法とは何でしょうか?
お聞かせ願えたら幸いです。

投稿: oooooo | 2009年12月10日 (木) 04時06分

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